2021年春(昨年)に卒業した大学生の就職状況

2021年春(昨年)に卒業した大学生の就職状況

2021年春(昨年)に卒業した大学生の実就職率は、85.4%でした。前年と比べると、やや厳しい状況になっています。新型コロナウイルスの感染拡大によって、ダメージを受けている航空や旅行などの業種や企業も少なくないことが1つの要因です。しかし、就職が厳しくなっても強い大学、学部もあります。現在、実就職率が高い大学は、不況になっても傾向は変わりません。皆さんが就職するのは、まだまだ先のことです。その時には景気が回復しているかもしれません。大学の規模別に実就職率を見ていきましょう。

<表の見方>

表は各大学の発表による2021年の就職状況。
実就職率(%)は、就職者数÷〔卒業生(修了者)数-大学院進学者数〕×100で算出。大学院への進学者数が未集計の大学は、実際の実就職率が掲載している率より高いことがある。文部科学省では、就職率を「就職希望者に占める就職者の割合」で算出することを推奨しているため、各大学が公表している就職率と異なる場合がある。データに一部の学部・研究科を含まない大学がある。学部系統別は、系統別に学部実就職率上位校を掲載した。卒業生が80人未満の小規模な学部、通信教育学部、二部・夜間主コースのみのデータは掲載していない。各系統は、主に学部名称により分類したため、学科構成や教育の内容が似ていても掲載していないものがある。データを未回答、または未集計の大学は掲載していない。同率で順位が異なるのは、小数点2桁以下の差による。大学名の※印は国立、◎印は私立、無印は公立。*印はデータに大学院修了者を含んでいることを表す。所在地は大学本部の所在地で学部の所在地と異なることがある。

卒業生数1,000人以上
  全国の工科系大学が上位を占める中、女子大学では昭和女子大が11年連続で全国トップ。

このランキングの特徴は、東日本2位の芝浦工業大学、5位の東京理科大学、8位の東京電機大学、西日本1位の金沢工業大学、2位の愛知工業大学、4位の大阪工業大学、5位の名古屋工業大学、8位の広島工業大学など、全国の工科系大学が数多くランクインしていることです。実就職率は“理高文低”(理系が高く文系が低い)の傾向にあり、理工系学部の就職は好調です。一方、総合大学は多様な学部学科の実績が合算されるため、実就職率が低くなりやすい傾向があります。そんな中でも群馬大学、茨城大学、福井大学、宮崎大学、私立では名城大学などがランクインしました。昭和女子大学は、卒業生1,000人以上の女子大としては11年連続で全国トップとなりました。

2021年春(昨年)に卒業した大学生の就職状況

卒業生数500人以上1,000人未満
  教育、医療、経済、工業など規模は小さいが、独自の強みをもつ大学が数多くランクイン。

規模は小さいものの独自の強みを持つ大学がランクインしています。東日本1位の聖徳大学は幼稚園教諭と保育士の就職者数がそれぞれ全国1位と同2位、東日本2位の東京薬科大学は薬剤師国家試験合格者数が全国1位、西日本1位の大和大学は政治経済学部の実就職率が全国の経済系学部で1位などです。得意分野で力を発揮している大学が成果を挙げています。

2021年春(昨年)に卒業した大学生の就職状況

卒業生数100人以上500人未満
  医療系大学のランクインが目立つ。

東日本1位の星薬科大学、2位の山形県立保健医療大学、3位の明治薬科大学、西日本2位の京都薬科大学、4位の四日市看護医療大学、5位の愛知医科大学など、医療系の大学が数多くランク位しています。就職における医療分野の資格の強さが際立ちます。西日本1位の千里金蘭大学は食物栄養、児童教育、看護の3学科を擁し、いずれの学科でも就職に有利な資格を取得できるようになっています。

2021年春(昨年)に卒業した大学生の就職状況

規模が小さいために知名度が低くても、得意分野については有名総合大学にも負けない強みを持っている大学は数多くあります。大学で学びたい内容や、将来就きたい仕事が明確に決まっているような受験生は、大学の入口(入試)だけでなく、出口(就職)も意識しながら、自分に合った大学選びをすることが大切です。