就職に力を入れている大学ランキング2021(全国編)
写真=明治大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「就職に力を入れている大学ランキング(全国編)」だ。
1位は明治大学で243ポイント。12年連続のトップだ。「就職の明治」として、就職キャリアセンターではさまざまな取り組みを実践してきたが、「インターンシップ&グローバルキャリアプログラム」もその一つ。関西大学と共同で実施した「低学年限定! 海外インターンシップinインドネシア 明治大学VS関西大学〜イスラム市場におけるエリエール製品の拡大戦略提案〜」は、インドネシアの現地法人社長に対してリサーチマーケティングと戦略提案を行い、対決方式で2大学が連携・交流するというもの。このプログラムは「学生が選ぶインターンシップアワード2021」(主催=学生が選ぶインターンシップアワード実行委員会、後援=経済産業省、厚生労働省、文部科学省、日本経済新聞社、マイナビ)で最優秀賞を受賞した。
2位は金沢工業大学で105ポイント。全学年必修の「プロジェクトデザイン」など、産業界との連携による「社会実装型教育」が毎年の高実績を支えている。学生が企業と雇用契約を結び、社員として給与を受け取って実際の業務に従事しながら学ぶ「コーオプ教育」も同大独自の取り組みだ。2020年からはNTT西日本との間でこのプログラムが行われ、学生は企業の第一線で活躍するデータサイエンティストによる寄附講座を受講し、選抜された学生が現場での業務に従事している。また、「自ら考え行動する技術者」を育成するため、4年間の体系的なカリキュラムを展開。独自のポートフォリオシステムに「修学」「キャリア」「自己評価レポート」を記録し、自らの将来像の実現のためにはいま何をすべきか、学生が意識しながら4年間を過ごせるよう指導している。
3位は九州工業大学で81ポイント。就職率ほぼ100%は当たり前という同大の就職の強さはその“質”にある。2021年卒の著名400社実就職率(※)では全国11位にランクイン。2021年4月就職者の約半数が東証一部上場企業に就職している。同大では就職担当教員を配し、学生の適性を見極めながら内定までマンツーマンでのサポートを実施。学生1人あたり5〜10社の豊富な推薦枠があり、平均1.18社の採用選考で内定が決まる。また、同大で開催される「学内合同説明会」には、全国から約700社の有名企業が参加。この説明会に参加する企業は工学と結びつきの強い企業に限定しているという。さらに、同窓会「明専会」主催のキャリアセミナーには全国の優良企業から卒業生が集まり、学生へのアドバイスなどを行っている。
※大学通信調べ。著名400社は、日経平均株価指数の採用銘柄や会社規模、知名度、大学生の人気企業ランキングなどを参考に選定。実就職率(%)は、就職者数÷〔卒業(修了)者数-大学院進学者数〕×100で算出。
<表の見方>
-
全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、739校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
※印は国立、◎印は私立、無印は公立を表す。