2021年学部系統別実就職率ランキング(理工系)

2021年学部系統別実就職率ランキング(理工系)

写真=豊田工業大学

企業と創る自立型人材の育成をめざし、産学一体の教育・研究環境を整備

理工系1位は実就職率100%の豊田工業大・工学部。トヨタ自動車の社会貢献活動として設立された大学だ。このうち第一志望の企業への就職率は74%。就職先はトヨタ自動車、豊田自動織機、デンソー、アイシン、ダイハツ工業、マツダ、スズキ、三菱電機、日立製作所、SONY、ダイキン工業、キヤノン、京セラなと多岐にわたる。そのカリキュラムの特色は、産業界との太いパイプを生かした講義・実習が豊富な点にある。企業から派遣された講師による「トヨタ生産方式概論」「電機メーカーでの研究開発に必要な工学」といった授業では、実際に企業が取り組む技術開発の現状などを学ぶことができる。また、1・3年次には全学生必修のインターンシップがあり、1〜1.5カ月にわたってトヨタ自動車や三菱電機など30社以上の製造・研究開発部門で課題に取り組む。

アイデアを社会実装するための力をつける、実践的な学びと研究

2位は実就職率98.9%金沢工業大・環境・建築学部(※)。工学部土木工学科は、環境技術・防災技術・地域政策を総合的な学びの領域とし、AIやIoTを土木技術に積極的に取り入れ、次世代型の土木技術について学ぶ。建築学部建築学科は、経済性や生産性を考慮しながら、美しく機能的な建築空間を計画・設計し運営できる能力、安全で快適な建築構造・建築環境を構築し運営できる能力を育成する。同大が高い就職実績を誇る背景にあるのが「社会実装型」の教育・研究だ。全学生必修の「プロジェクトデザイン」では、5〜6人のチームで課題を発見して解決策を具体化し、実験と検証、評価を行う。自治体が提供する課題や企業との共同研究など、より実践的な内容に取り組む。
※ 旧名称。平成30年度に土木工学科は工学部に改編。同じく、建築デザイン学科と建築学科は建築学部建築学科に改組された。

生命の仕組みを理解し、生物資源、環境、栄養・健康の諸問題に取り組む

3位は実就職率98.9%の福山大・生命工学部。動植物や微生物の知識と最新のバイオテクノロジーを学ぶ「生物工学科」、食を通じた活動により地域社会に貢献できる管理栄養士を育成する「生命栄養科学科」、海洋の環境、生態系、生物資源について学ぶ「海洋生物科学科」の3学科がある。1年次は生物学など自然科学の基礎学修を行い、2・3年次には生命の仕組み、環境と生態、食と健康といったさまざまなテーマを関連づけて学び、より専門性の高い知識・技能を身につけ、4年次の卒業研究・資格取得につなげていく。内海生物資源研究所(マリンバイオセンター)やグリーンサイエンス研究センターといった高度な設備を持つ施設もあり、充実した研究環境で研究に取り組むことができる。

<表の見方>

医科・歯科の単科大等を除く全国738大学に2021年春の就職状況を調査。573大学から得た回答を基にランキングを作成した。卒業者数が80人未満の小規模な学部、通信教育学部、2部・夜間主コースのみのデータは掲載していない。
各系統は、主に学部名称により分類したため、学科構成や教育の内容が似ていても掲載していないものがある。例えば、法学科をもつ大学・学部でも学部名に「法」が付かない場合、法学系に掲載していないことがある。
実就職率(%)は、就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100で算出。同率で順位が異なるのは、小数点2桁以下の差による。大学院への進学者数が未集計の場合、実際の数値が掲載している値より高い場合がある。
文部科学省では、就職率を「就職希望者数に占める就職者の割合」で算出することを推奨しているため、各大学が公表している就職率と異なる場合がある。ここでは文部科学省が用いる「就職率」と区別するため、「実就職率」という表記を用いた。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を示す。大学・学部名は現在の名称で掲載している場合がある。所在地は大学本部の所在地で学部の所在地と異なることがある。


2021年学部系統別実就職率ランキング(理工系)