2021年学部系統別実就職率ランキング(薬学系)

2021年学部系統別実就職率ランキング(薬学系)

写真=名城大学

薬学系1位は、実就職率100%の東北大・薬学部と富山大・薬学部が並んだ。

創薬化学、生命薬科学、医療薬学の融合的な研究・教育を実践

東北大・薬学部は、創薬科学の薬学研究者・技術者養成を基本とする4年制の「創薬科学科」と、高度薬剤師の養成を基本とする6年制の「薬学科」の2学科体制。入学時には学科で区別した選抜は行わず、3年次前期の第5セメスターまでは、学科共通の基幹教育科目を学びながら薬学の基礎を身につけ、「基礎薬学実習」で実験技術の基礎を習得する。その後、志望・成績などから両学科に振り分け、3年次後半の第6セメスターから各学科のカリキュラムのもとで学びを深める。創薬科学科では、医薬品開発研究のためのより高度な技術や最先端の知識を身につけるためにほとんどの学生が大学院へ進学するが、薬学科では毎年約8割の学生が企業や病院の薬剤師、医療技術職として就職している。

最新の薬学から伝統医薬まで幅広く学び、命と薬の関わりを追究

富山大・薬学部は、1893年設立の共立富山薬学校がルーツ。薬剤師を育成する6年制の「薬学科」と、創薬研究者・技術者等を育成する4年制の「創薬科学科」がある。「くすりの富山」として300年以上の薬の歴史を有する富山県の医薬品生産額は全国トップレベル。こうした立地や医学部、附属病院、和漢医薬学総合研究所が同じキャンパス内にあるメリットを生かし、最新の薬学から伝統医薬まで幅広く学ぶ。また、英語教育や留学にも力を入れ、創薬科学科では創薬研究に必要な英語能力の向上をめざし、全学年を通じてTOEIC学習のサポートなどを実施。薬学科では、アメリカ・南カリフォルニア大学との学術交流等を通じて、国際感覚豊かな薬剤師の養成にも取り組んでいる。

臨床実習を重視し、チーム医療の一員として活躍できる臨床薬剤師を養成

3位には実就職率99.6%の名城大・薬学部がランクイン。6年制の「薬学科」では、医薬分業の進展に対応し、臨床実習を重視した教育プログラムを実践。4年生が自らの体験に基づいて1年生を指導する早期体験学習「Age Mixing」では、各学年の学生を混合したチームで学生同士が学び合い、互いに刺激し合うことで6年間の学習におけるモチベーションの維持・向上を図っている。また、アメリカ・南カリフォルニア大学などの海外大における臨床薬学研修のほか、名古屋大学、藤田医科大学、愛知医科大学や安城更生病院で臨床研究に取り組む「アドバンストコース」を設置するなど、臨床薬剤師としてのより高度な専門知識と臨床技能を身につけるさまざまな取り組みを展開している。

<表の見方>

医科・歯科の単科大等を除く全国738大学に2021年春の就職状況を調査。573大学から得た回答を基にランキングを作成した。卒業者数が80人未満の小規模な学部、通信教育学部、2部・夜間主コースのみのデータは掲載していない。
各系統は、主に学部名称により分類したため、学科構成や教育の内容が似ていても掲載していないものがある。例えば、法学科をもつ大学・学部でも学部名に「法」が付かない場合、法学系に掲載していないことがある。
実就職率(%)は、就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100で算出。同率で順位が異なるのは、小数点2桁以下の差による。大学院への進学者数が未集計の場合、実際の数値が掲載している値より高い場合がある。
文部科学省では、就職率を「就職希望者数に占める就職者の割合」で算出することを推奨しているため、各大学が公表している就職率と異なる場合がある。ここでは文部科学省が用いる「就職率」と区別するため、「実就職率」という表記を用いた。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を示す。大学・学部名は現在の名称で掲載している場合がある。所在地は大学本部の所在地で学部の所在地と異なることがある。


2021年学部系統別実就職率ランキング(薬学系)