2021年学部系統別実就職率ランキング(農学系)

2021年学部系統別実就職率ランキング(農学系)

写真=徳島大学生物資源産業学部の農場で生産された「徳大ハム」

生物資源を活用した新たな産業の創出に貢献する人材を育成

農学系1位は実就職率98.1%の徳島大・生物資源産業学部。2016年に設置された同学部は、「応用生命コース」「食料科学コース」「生物生産システムコース」の3コースを設置。ヘルス・フード・アグリとバイオを融合し、生物資源を活用した新たな産業を創出する人材育成をめざす。学生約8人に対して1人の教員がクラス担任として配置され、1年次から進路相談を実施。コース選択でのミスマッチが起きないよう、2年次には履修に関するガイダンスを行い、担任による双方向での達成度評価を行う「ラーニング・ポートフォリオ」も導入している。また、経済・経営関連科目を配置し、「起業体験実習」や「商品開発プロジェクト」などの実習、長期インターンシップを通じて現場での実践力を養っている。

世界の食と農に貢献する生産・研究開発・流通のプロを育てる

2位は実就職率97.4%の茨城大・農学部。生命科学や食品の加工、流通、安全性に関する知識と技能を身につけ、さまざまな食料問題を解決するための力を養う「食生命科学科」と、食や農に関する生産から販売までの知識と技能を身につけ、地域産業振興に貢献する力を養う「地域総合農学科」の2学科がある。同学部では、農業産出額全国3位という茨城県の特性を生かして、自治体や企業、農家と連携した講義や実習を展開。隣接する「附属国際フィールド農学センター」でも農学実習を行っている。また、食生命科学科の国際食産業科学コースでは、半年間の海外留学が必須。このほか、国際インターンシップなど、海外で活躍できる農業人の育成にも力を入れている。

「生命・食料・環境・自然」への深い洞察と、創造性豊かな実践力を養う

3位は実就職率96.4%の名城大・農学部。「生物資源学科」「応用生物化学科」「生物環境科学科」の3学科を配し、生命・食料・環境・自然に関する専門的学識と洞察力を持ち、現代社会が直面する諸問題の解決に向けて積極的に取り組む人材を育成する。4年次には、3学科の学生全員が卒業研究の成果を発表する「卒業研究発表会」を開催。卒業研究へのモチベーションアップだけでなく、学科や研究室の垣根を越えた教育・研究の交流を育み、1〜3年生にとって農学へのより深い理解を促す機会となっている。また、文理の垣根を越えて学ぶ「他学部履修制度」や助成金で学生の学びを支援する「Enjoy Learning プロジェクト」など、学生の意欲を後押しする取り組みも豊富に用意されている。

<表の見方>

医科・歯科の単科大等を除く全国738大学に2021年春の就職状況を調査。573大学から得た回答を基にランキングを作成した。卒業者数が80人未満の小規模な学部、通信教育学部、2部・夜間主コースのみのデータは掲載していない。
各系統は、主に学部名称により分類したため、学科構成や教育の内容が似ていても掲載していないものがある。例えば、法学科をもつ大学・学部でも学部名に「法」が付かない場合、法学系に掲載していないことがある。
実就職率(%)は、就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100で算出。同率で順位が異なるのは、小数点2桁以下の差による。大学院への進学者数が未集計の場合、実際の数値が掲載している値より高い場合がある。
文部科学省では、就職率を「就職希望者数に占める就職者の割合」で算出することを推奨しているため、各大学が公表している就職率と異なる場合がある。ここでは文部科学省が用いる「就職率」と区別するため、「実就職率」という表記を用いた。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立を示す。大学・学部名は現在の名称で掲載している場合がある。所在地は大学本部の所在地で学部の所在地と異なることがある。


2021年学部系統別実就職率ランキング(農学系)