2020年 小学校教諭就職者数ランキング

2020年 小学校教諭就職者数ランキング

写真=文教大学

今回は小学校教諭の就職者が多い大学を紹介する。小学校教諭輩出のために、各大学ではどのような取り組みが行われているのか。順に見ていこう。

1位は福岡教育大学で304人。同大は1873年に設置された学科取調所に由来し、1949年に福岡学芸大学として開学した。九州エリアにとどまらず、わが国の教育を支える人材を多く輩出してきた。初等教育教員養成課程では、各教科や特別活動などでの指導、学級経営、生徒指導等を行うために必要な資質・能力を身につけた、小学校教育のスペシャリストを養成。教員採用試験の対策講座や模擬面接、学校支援ボランティア活動の充実などにも力を入れている。1・2年次の授業はクラス単位での学修が多く、これは教員になってからも学校というチームの一員として活躍するためのトレーニングでもある。また、「英語習得院ELI(English Learning Institute)」を設置し、学校現場で必要な英語コミュニケーション能力の習得や、留学のための英語力向上など、実践的な英語教育を推進している。

2位は北海道教育大学で258人、3位は大阪教育大学で257人。4位には246人で文教大学が続く。文教大学は、私立大学初の教員養成を目的とした教育学部を1969年に開設。その後、約50年間で1万人以上の教員を輩出し、私立大学としては教員就職者数全国第1位を誇る。同大では、建学の精神である「人間愛」に基づき、すべての人を尊重し思いやる心の育成を実践し、密度の濃い少人数教育を展開。教育学部の2課程のうち、発達教育課程では、専門性の高い4つの専修(特別支援教育、初等連携教育、児童心理教育、幼児心理教育)を設け、「個に応じた発達支援ができるスペシャリスト」を育成する。また、学校教育課程では専門教科の知識・技能の習得と、小学校から高校までの学習体系の理解のもと、「小・中・高の学びのつなぎのスペシャリスト」の育成を目指している。

5位は211人で東京学芸大学、6位は202人で岐阜聖徳学園大学が続く。岐阜聖徳学園大学は、1972年に教育学部の単科大学として開学して以来、数多くの教員を輩出してきた。1年次から段階を追って教育実習を行う「クリスタルプラン」は、文部科学省の教員養成GPにも採択された、同大の特徴的な教育プログラムだ。1年次から地域の小・中学校での授業見学や、田植え体験などの校外活動の運営などを通して、早期から子どもたちとふれあい、現場の運営だけでなく子どもへの理解を深めるなど、実践的なスキルを磨くことができる。また、教員採用試験対策が本格化する3年次からは、筆記試験対策や面接対策、グループディスカッション対策なども実施。現職教員でもある卒業生とのネットワークが確立されていることも学生には心強い。

<表の見方>

医科・歯科の単科大等を除く全国735大学に2020年春の就職状況を調査。551大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数には臨任・非常勤を含む。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立。大学名横の*印は大学院修了者を含むことを表す。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。


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