2020年 中学校教諭就職者数ランキング
写真=日本大学 理工学部
今回は中学校教諭の就職者が多い大学を紹介する。中学校教諭輩出のために、各大学ではどのような取り組みが行われているのか。順に見ていこう。
1位は日本大学で150人。2019年に創立130周年を迎え、全学的な教学改革に取り組んでいる同大は、教育理念である「自主創造(自ら学ぶ、自ら考える、自ら道をひらく)」の第一歩として、全学共通教育科目「自主創造の基礎」を配置。大学での学び方や、キャリア形成への意識づけを行っている。同大の教員養成の中心を担うのは、文理学部教育学科だ。同学科では、教育について原理的、総合的に学習することにより、教職をはじめ多様な分野で活躍できる人材の養成を目指し、研究と教育に力を注いでいる。学生は多様なカリキュラムから自らの目的に合った授業を自由に選択し、教育について原理的かつ総合的に学ぶ。そのため、教員だけでなく、教育委員会や教育系出版社など、広く教育に関わる職業を目指す学生にも対応している。
2位は文教大学で145人。「人間愛」という建学の精神のもと、少人数を重視した教育を展開する同大の学校教育課程では、小学校・中学校・高等学校の教員免許を取得することができる。専門教科ごとに9つの専修に分かれ、専修ごとに少人数のクラスで学ぶことで、学生同士が自主的に学び合い、競い合いながら成長できる環境が整えられている。また、担任制を取り入れ、学生一人ひとりの可能性を伸ばすきめ細かな指導を実践。小・中・高の各段階における教育内容・教育方法の違いと連続性を理解し、教科・道徳・特別活動などのさまざまな系統を確立できる教員を育成するカリキュラムは、安定した高い教員就職率に結びついている。
3位は北海道教育大学で139人。1課程(教員養成)、2学科(国際地域、芸術・スポーツ文化)を、札幌、旭川、釧路、函館、岩見沢の5つのキャンパスで展開する同大は、教員養成課程を札幌、旭川、函館の各校に設置。さまざまな教員免許状が取得できるカリキュラムを提供するほか、2015年には「グローバル教員養成プログラム」をスタートさせた。このプログラムでは、高い語学力と豊かな国際感覚を有する教員を養成し、将来、国際社会で活躍できる人材養成への貢献を目指す。また、札幌校で実施している「教育フィールド研究」では、小・中・高校や特別支援学校などでの学習支援や外国語活動、学校行事、部活動、スキー学習の指導など、ボランティアとして広く教育活動に関わることで、社会貢献だけでなく、教職を目指す上での実践的な学びを得ることができる。
<表の見方>
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医科・歯科の単科大等を除く全国735大学に2020年春の就職状況を調査。551大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数には臨任・非常勤を含む。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立。大学名横の*印は大学院修了者を含むことを表す。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。