就職に力を入れている大学ランキング2020(北陸・東海編)
写真=金沢工業大学
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「就職に力を入れている大学(北陸・東海編)」だ。
1位は金沢工業大学で268ポイント。同大によると、2020年3月に卒業した就職内定者のうち68.6%の学生が上場・大手企業、公務員、教員だったほか、就職内定率は99.9%を記録。その背景にあるのは、金沢工業大学が注力する「社会実装型」の教育・研究だ。全学生が必修のPBL(課題解決型)科目「プロジェクトデザイン」は、社会が抱える課題を発見し、チームで解決策を具体化して実験・検証・評価を行うもの。所属学科で得た知識を活用しながら、実践的なスキルを身につけることができる。加えて、進路開発センターには毎年約3600社の企業から求人票が集まり、学内のイントラネット「企業情報検索サービス」では約2万2500社の企業情報を公開。さらに1人、1回1時間という個別面接指導をはじめ、さまざまな就職支援プログラムが用意されている。
2位は福井大学で93ポイント。年間50回以上のガイダンスを行い、就職活動に対する学生の不安解消に注力。「学内合同企業説明会」には例年約500社が参加する。年間200回に及ぶ「学内個別企業説明会」や、県内外の企業を訪問するバスツアーも実施され、公務員や教員志望者向けのガイダンスも随時開催。これらの成果として、2019年3月の卒業生1290人のうち953人が就職し、308人が大学院に進学。企業等就職者の70%は従業員数300人以上の大企業に就職し、うち189人は従業員数3000人以上の巨大企業だ。大学通信の調査による「全国大学実就職率ランキング※」では、複数学部を有する卒業生1000人以上の国立大学において12年連続1位を記録しており、就職後、在籍3年以内の離職率は9.9%。全国平均の32%に比べて非常に低いことも特長だ。
3位は名古屋商科大学で26ポイント。面談記録や就職ガイダンスなどへの参加状況、適性検査やSPI試験の結果など、就職活動での進捗を教職員と学生が随時更新していく独自のデータベース「電子カルテシステム」が機能している。授業への出欠状況や、資格試験に向けた勉強の進捗、クラブ活動や留学などの活動実績なども記録していくため、教職員が学生の状況を多面的に把握でき、的確なアドバイスやサポートにつながっている。このほか、資格対策講座は年間40講座以上が低価格で提供され、2.5人に1人の学生が受講。税理士や公認会計士の資格取得を目指す特別コースもある。また、30年以上の伝統がある、面接やグループディスカッションの実践力を高めために2日間の集中研修を行う「就職研修会」や、国内外でのインターンシップも充実している。
※:実就職率(%)は、就職者数÷〔卒業(修了)者数−大学院進学者数〕×100で算出。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。