就職に力を入れている大学ランキング2020(全国編)
写真=明治大学 オンライングループ相談会の様子
多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「就職に力を入れている大学ランキング(全国編)」だ。
コロナ禍での就職支援の取り組み、社会との関わりを学生に提供する教育プログラム、就職先の良さなど、ランキングを深掘りする中で見えてきたものは多岐にわたる。
コロナ禍でも支援の手を止めない明治大学
1位は明治大学で445ポイント。11年連続1位のゆるがぬ評価を受けている。直近で特筆すべきは、就職キャリア支援センターによる、コロナ禍における取り組みだ。「納得就職支援プログラム(Meiji Restart Program)」を昨年6月から開始。「オンライン個別相談」「Live配信!就活お悩みグループ相談会」「就職支援システム(M-CAREER)による情報提供」「就職支援イベント」を軸に、学生が自宅に居ながらオンラインで支援が受けられるプログラムを構築した。さらに、2020年10月から12月に掛けて、株式会社小学館(東京都千代田区)と協力して、学部1~2年生70人を対象としたオンラインでのPBL(問題解決型学習)活動を実施。コロナ禍でも、実践的な学びの場をできる限り提供することが狙いだ。
授業の中で進路を考えるきっかけを提供する金沢工業大学
2位は金沢工業大学で268ポイント。こちらも上位ランク常連だ。同大学は卒業生数1000人以上の実就職率ランキングで全国1位。伝統の「社会実装型教育」が高実績を支える。代表例であるPBL科目「プロジェクトデザイン」は全学年必修。授業の中で、学生が将来の進路について考えるきっかけを提供している。例えば、環境土木工学科では、珠洲市に協力を依頼し、学生が主体となって自治体が抱える問題発見・解決に取り組む連携授業を行っている。
有力企業から求人が集まる九州工業大学
3位は九州工業大学で122ポイント。注目すべきは、就職の質だ。昨年4月就職者の約半数が東証一部上場企業に就職している。学内合同説明会には、同大学の学生を求めるトップクラスの企業が全国から750社程度集結。この説明会に参加する企業は工学と結びつきの強い企業に限定している。この他にも、各学科に就職担当の教員を配置し、学生との面談や企業とのマッチングを行っている。学校推薦で応募できる企業は学生1人あたり5~10社と引く手あまただ。
<表の見方>
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全国の約2000進学校を対象にアンケートを行い、910校から回答を得た。各項目ごとに5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学を5ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。
大学名の◎は私立、※は国立、無印は公立を表す。